SE年収の全て|20代・30代・40代の給料が安すぎる理由から1000万円稼ぐフローまで解説|フォーエンジニアのカバー画像

SE年収の全て|20代・30代・40代の給料が安すぎる理由から1000万円稼ぐフローまで解説

公開日:2025/02/20最終更新日:2025/02/21

1.SE の年収の全体像

システムエンジニア(SE)は、IT業界の中核を担う専門職ですが、その給与水準は実力と経験によって大きく異なります。新人からベテランまで幅広い年収層が存在し、20代・30代の平均給与から、スキルを磨いて高待遇を目指す道のりまで、現場の実態に基づいた相場観を解説します。


未経験から高給を得るまでのキャリアパスや、年収アップのポイントも詳しく紹介していきます。

SEの平均年収と中央値

一般的に、日本の労働者全体の平均年収は400万円台と言われています。では、SEの場合はどうでしょうか。厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査」から推定すると、IT関連職種の中核をなすSEは平均で500万円台~600万円台に位置付けられやすいです。


一方で、中央値は平均よりもやや低く出る場合があります。これは、高年収層が平均を押し上げるためです。したがってSEの年収は中央値で400万円台後半から500万円台前半というケースもあり、一概に「高給取りが多い」とは言い切れません。

SEの年収は大きく差が出る理由

システムエンジニアの給与の格差が生まれる主な要因を解説します。

  • 企業規模や業種: 大手企業や外資系コンサル企業、あるいは自社サービスを持つ企業では年収が高め。孫請け・下請け中心の中小IT企業はやや低めになりがち。

  • 担当工程の違い: 要件定義や基本設計など上流工程を担うSEほど年収が上がりやすい。下流工程がメインのプログラミングやテスト担当は年収に伸び悩むことも。

  • 専門スキルの有無: AIやクラウド、セキュリティなど、ニーズが急伸している分野で豊富な経験を積んだSEほど高単価で評価される傾向がある。


特に若手エンジニアが多く集まる現場では、業界全体の平均値が実態よりも低めに出る傾向にあります。スキルアップを重ねることで、より高い待遇を目指せる業界特性を持つ職種といえるでしょう。経験に応じた相場感を把握することが、キャリアプランを考える上で重要なポイントとなります。

2.SE の年代別年収

システムエンジニアの給与水準は年代によって大きく変化します。20代から30代にかけて顕著な年収アップが見られ、技術力とプロジェクトマネジメント経験の積み重ねが給与に反映される傾向があります。年代別の詳しい給与相場と、年収アップの要因を解説します。

20代SEの特徴と年収相場

20代前半でSEとしてキャリアを始める場合、最初の年収は300万円台~400万円台に収まるケースが多いでしょう。特に新卒入社の場合は、プログラミングやテストといった下流工程を担当することが多いため、あまり高額とは言えません。

  • ポイント:

    • 業務を通じてビジネス知識や設計スキルを磨き、実績を積むことが大切。

    • 転職も視野に入れながら、より上流工程へシフトしていけば、20代後半には年収500万円前後を狙える可能性が高まります。

30代SEの特徴と年収相場

システムエンジニアの30代の給与水準は、経験とスキルに応じて500万円台後半が相場です。要件定義やプロジェクトマネジメントのスキルを身につけることで、大手企業では更なる年収アップも期待できます。

  • ポイント:

    • 30代前半で上流工程に携わる経験を重ねるほど、伸び代は大きい。

    • 管理職に昇格したり、スペシャリストとしての専門スキルを極めたりすることで、収入面の飛躍が期待できる年代です。

40代以降のSEの年収傾向

40代以降になると、役職や担当業務で年収に大きな差が出ます。プロジェクトマネージャーやITコンサルへキャリアアップしているケースでは、年収700万円~800万円以上も珍しくありません。一方で、技術一筋でシニアSEとして活躍している場合も同等以上の収入を得られる可能性があります。

  • 管理職コース: チーム統括や経営寄りの立場になり、高額な給与テーブルに移行。

  • スペシャリストコース: クラウドやAIなど、需要が高い技術を極めることで市場価値が急上昇。

3.SE が年収を上げるには?

システムエンジニアの給与は、スキルと経験によって大きな差が生まれます。一般的な相場に満足できない場合でも、適切なキャリア戦略で収入を大きく伸ばすことは可能です。ここからは、具体的な年収アップの方法と、高給エンジニアへの道筋を解説します。

上流工程へのシフト

SEが高収入を得るためのキーポイントの一つに「上流工程の経験」が挙げられます。要件定義や基本設計、プロジェクトマネジメントなど、開発全体の核となる業務に携わるほど専門性が高いと評価されがちです。

  • やるべきこと:

    • 小規模でもよいので、要件定義や基本設計を経験し、実績を残す。

    • コミュニケーション能力やドキュメント作成スキルを磨くことで上流工程への転向を狙う。

転職によるキャリアアップ

日本のIT企業は多重下請け構造が根強く、大手と中小の間で年収に大きな差が出る傾向があります。したがって、「もっと給料を上げたい」と思ったら、転職は有効な手段の一つです。

  • 注目すべきポイント:

    • 大手や外資系、自社プロダクトを持つIT企業では人材への投資が厚く、報酬テーブルも高い。

    • SES企業(他社へエンジニアを常駐させるビジネス形態)は幅広いプロジェクト経験を積めるメリットはあるが、下請け比率が高いと年収が伸びづらいこともある。

資格・最新技術の習得

クラウド、AI、セキュリティなど、需要が急速に伸びている分野のスキルを習得すれば、市場価値が大幅に上がります。また、情報処理技術者試験をはじめとする資格の取得も、企業側が給与テーブルを見直すきっかけになる場合があります。

  • 具体的な行動例:

    • AWSやAzureなどクラウド系資格を取得する。

    • 情報処理技術者試験(基本情報、応用情報、プロジェクトマネージャなど)に合格して手当や昇給を狙う。

4.SE が年収1000万円を目指す道のり

システムエンジニアとして高収入を目指すには、着実なスキルアップと戦略的なキャリア選択が重要です。大手IT企業や外資系コンサルでの経験を積み、フリーランスとして独立するなど、様々なキャリアパスがあります。ここでは、実践的な目標設定から具体的な行動計画まで、収入アップの実現方法を解説します。

キャリアプランの重要性

年収1000万円を目指すためには、自分がどのようなエンジニア像を目指すかを明確にする必要があります。上流工程を極めてプロジェクトマネージャーになるのか、AIやビッグデータなど専門分野に特化してスペシャリストとしての道を歩むのか、あらかじめ大枠の方向性を定めることが大切です。

  • プロジェクトマネージャー志望:

    • コミュニケーション力、交渉力、問題解決力などマネジメントの全般的なスキルを伸ばす。

  • スペシャリスト志望:

    • AIやデータ分析、セキュリティなど、需要が高く高額案件が発生しやすい領域の専門知識を深堀り。

転職タイミングと企業選び

年収1000万円を狙うのであれば、年齢・経験年数にふさわしい企業を選ぶことが重要です。例えば、30代半ば頃に大手IT企業やグローバル展開している企業への転職を目指す人は少なくありません。

  • 企業選びのポイント:

    • 自社サービスを持つIT企業や、コンサルファーム、外資系など、報酬面で優遇されやすい企業文化を持つ会社をリストアップ。

    • IPO(新規株式公開)を控えているベンチャー企業でストックオプションを付与される場合もあり、ハイリスクながら大きく年収が伸びる可能性あり。

年収1000万円に近づくためのロードマップ

仮に20代半ばからのロードマップ例を示すと、以下のようなステップが考えられます。

  1. 20代後半: プログラミングのみならず要件定義・基本設計を経験。転職を検討し、上流工程へシフト。

  2. 30代前半: プロジェクト全体を俯瞰するスキルを習得。プロジェクトリーダーやアーキテクトに挑戦し、実績を積む。

  3. 30代後半: 大手・外資系・急成長中のベンチャーなどへ再転職し、年収700~800万円台に乗せる。

  4. 40代以降: マネジメントまたはスペシャリスト路線を明確化し、交渉力を駆使して年収1000万円を狙う。


この流れは一例ですが、要点は「早い段階で上流工程に進み、30代のうちにマネジメントや専門分野を確立する」ことです。

5.SE の給料が安いと感じる理由

一方で、「システムエンジニア 給料 安い」「エンジニア 給料 安すぎ」といった声がネット上で散見されるのも事実です。なぜ一部のSEは低年収に甘んじているのでしょうか。ここでは、主な理由と対策を考えます。

下流工程のみの経験にとどまっている

設計や要件定義といった上流工程の経験が不足している場合、給料水準は伸び悩みます。また、下請け・孫請けの構造でクライアントとの距離が遠いほど、収益も限られがちです。

  • 対策:

    • チャンスを待つのではなく、積極的に上流工程に挑戦したい意志をアピールし、プロジェクトリーダーのサポート役などに立候補する。

自身を取り巻く市場環境の見極め不足

スキルが同じでも、企業のビジネスモデルや勤務地域によって年収は大きく変化します。人材不足が顕著な地方大都市に転職すれば、都心並みかそれ以上の待遇で採用されるケースもあり得ます。

  • 対策:

    • 自身の市場価値を定期的に見直す。転職エージェントに相談し、他社の待遇や求人状況を把握することが有効。

働き方改革と残業代の影響

長時間残業で給与を上乗せしていた時代から、「働き方改革」で残業の上限規制が強まり、結果的に「手取りが減った」と感じるSEもいるようです。残業代に頼る働き方は、業界全体の体質が変化しつつある現状では限界があります。

  • 対策:

    • 残業を前提としないキャリアプランを描き、業務効率化や価値創造に注力して評価を高める。

6.フリーランスSEとして独立する場合の収入

システムエンジニアには、企業に所属する正社員としてのキャリアに加え、独立してフリーランスとして活動する選択肢もあります。高度な技術力と顧客開拓力を身につければ、より高い収入を目指すことができますが、安定性やリスク管理の面でも十分な検討が必要です。


ここでは、それぞれのキャリアパスのメリットとデメリットを解説します。

フリーランスSEの報酬相場

フリーランスボードの「システムエンジニア(SE)」 ページを見ると、月額単価の事例が多く掲載されています。具体的には、「フリーランスボード」 上で確認できるシステムエンジニア案件の月額単価は、50万円〜80万円程度がひとつの目安です。経験値や担当工程によっては月100万円以上を狙える案件も存在します。

  • 月80万円の案件を1年間継続できれば、年収960万円という試算になります。

  • スペシャリストとしての高い専門性を持っている場合は、さらに高額な報酬を得られるチャンスがあるでしょう。

フリーランスSEのメリット・デメリット

  • メリット:

    • 案件を選ぶ自由度が高く、得意分野のプロジェクトで高単価を狙える。

    • 働く時間・場所の選択肢が広がり、ワークライフバランスを自分で調整できる。

    • 自らの営業努力次第で、収入を一気に伸ばす可能性がある。

  • デメリット:

    • 常に新たな案件を探す必要があり、収入が不安定になりやすい。

    • 福利厚生がないため、社会保険や税金の管理を自力で行う必要がある。

    • 自己研鑽や情報収集を怠ると、すぐに市場価値が下がってしまうリスクがある。

フリーランスエンジニアとして安定収入を狙うコツ

  • 専門分野の明確化: 汎用的なスキルだけでなく、クラウドやAIなどの特定領域に強みを持つと高単価案件を獲得しやすい。

  • 継続的な営業努力: フリーランスエージェントを活用し、案件情報を絶えずチェックする。

  • 人脈の活用: セミナーやコミュニティに積極的に参加し、リファラル(紹介)で案件を獲得する機会を増やす。

7.まとめ

システムエンジニアの収入は、担当する業務内容や所属企業の規模、個人の技術力によって大きな差が生まれます。新卒時は一般的な給与水準からスタートしますが、キャリアを重ねるにつれて上流工程を担当したり、専門性の高い技術分野でスキルを磨いたりすることで、着実に収入を増やすことができます。ただし、技術革新の激しいIT業界では、下流工程の業務に特化したままでは収入が伸び悩む可能性もあります。


市場環境の変化を見極めながら、自身の適性や志向性に合わせて、社内でのステップアップや転職、フリーランス化など、様々なキャリアパスを検討することが重要です。計画的なスキルアップと戦略的なキャリア選択により、より高い収入を目指すことができます。